中心結節(central cusp)
奥歯(臼歯)の嚙む面(咬合面)の中央部分に、発達した円錐状もしくは棒状の形の出っ張り(異常結節)があることがあります。下顎の第二小臼歯(前から5番目)で1.0~3.5%くらいの出現頻度で、他に上顎の小臼歯や、上下大臼歯にも表れます。
これの問題点は、折れると厄介だということです。細いので、よく破折します。
この鬼のツノの中に神経が通っていて、万が一 折れてしまうと、そこから感染して神経が歯髄炎を起こしたり、歯髄壊死を起こします。激烈な痛みにおそわれ顔が腫れるくらい痛みます。
治療・予防
腫れている最中は、麻酔もようよう効きませんので、治療のさいに猛烈に痛いです。だから折れる前に周りを補強してしますことをお勧めします。歯が生え始めて上下の歯がかみ合う前でしたら歯の格好を少しくらい変えても(補強のレジンがもっこりしていても)、そういうかみ合わせができてくれます。
万が一 折れてしまって神経がやられてしまったら、神経の治療(根管治療)をすることになります。しかし根未完成歯のことが多く、apexificationとかapexsogenesisiとかの特殊な根幹治療が必要になります。
レントゲンであらかじめ見えることがありますので、生え代わりの時期は注意しておいた方がいいですね。
Apexification(歯根未完成歯の神経の治療)
歯の神経の治療は、炎症を起こした神経を取って、根っこの先(根尖)まで防腐剤を詰めるものです。しかし、生えたての歯は根尖が未完成なので、きっちり目の先まで詰められません。
そういう生理的な成長を見込めない場合は、物理的に石灰化させ根尖を閉鎖させる治療を行います。