むし歯

なぜ?むし歯が悪いのでしょう?

 むし歯は、折れた骨(骨折)が元通りに再生するようには治りません。皮膚、筋肉が元通りに くっつくようには治りません。むし歯(齲蝕·うしょく)になっちゃったら、むし歯の部分(齲窩·うか)を削って、レジンだとか銀だとかを詰めて“治す”ことになります。金だとかセラミックを張り付けて“治す”んです。
 でも口の中はお風呂場みたいに高温多湿なので、どんな材料でも長持ちしません。削って詰めたら、そこから再治療·再治療~で一生かかって歯が壊れていくんです。だから、一生使う永久歯は、削りたくないんです。

乳歯はむし歯にしてもいいの?

 乳歯もむし歯にしないに越したことはありません。現代は、昔に比べたら、おそろしくむし歯が減りました。ネットからの知識や、保健センターでの健診·指導、保育施設での健診など母親の意識も高くなってきているからです。

 歯が生えたら そこからむし歯を気を付けるべき…という歯科医もいます。
たしかに むし歯になりやすい口腔環境(食習慣や仕上げ磨き)は、乳歯の時期から大切で、永久歯が生えたからガラッと変わるわけではありません。だから乳歯の時期から口腔衛生を良くする必要はありますが、昔と違って現代は 口の中は比較的きれいで、ベビーブームの時代のように「むし歯の洪水」ではありません。歯のことだけで生きていくわけではないので、他に大切なことはたくさんあります。特に友達やジジババなどとの甘いものの思い出は大事です。必要以上に怖がることはありません。

永久歯は大丈夫?

乳歯の下には永久歯ができはじめています。

 乳歯のむし歯が永久歯に影響するのは、むし歯ができて、進んでいって、神経がやられて腐って、それが根っこの先に膿を作ると、その膿が乳歯の下に作られつつある永久歯胚に悪影響をおよぼします。

むし歯が表面のエナメル質を溶かし(C0~C1)、象牙質を溶かし(C2)、神経に達して(C3)、歯がボロボロになる(C4)というように進行します。

膿のできる時期によって1)エナメル質形成不全2)短根歯3)根の回避現象の3つの影響があります。

乳歯にむし歯ができ、歯はどんどん溶かしていって神経に達して、神経をおかして腐って、その腐った神経が乳歯の根っこの先の骨の中に膿(うみ)をつくります。その膿が乳歯の下の骨の中に作られつつある永久歯に悪さをします。

 ここまでは家庭で気を付けるという母の自己流でできますが、永久歯からは、レントゲンを撮るなどに代表されるようなプロフェッショナルの指導が必要です。フッ素の塗布だったり、フィッシャーシーラントという予防方法だったり。

 歯の磨き方(仕上げ磨き)は、0歳から大体5歳半くらいまでの乳歯だけの時期(乳歯列期)Hellman Dental Age IA~IIAと、5歳くらいから8歳くらいまでの永久歯の前歯が生えそろう時期(前歯部交換期)Hellman Dental Age IIC~IIIA、と8歳から10歳あたりまでの横の歯が生え変わる時期(側方歯群交換期)Hellman Dental Age IIIB、と仕上げ磨き卒業当たりの頃 Hellman Dental Age IVAと、やり方が違います。

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